新型出生前診断(母体血胎児染色体検査NIPT)

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新型出生前診断(母体血胎児染色体検査NIPT)は2013年4月に開始された新しい出生前診断で、妊婦さんの血液中を浮遊しているDNAの断片を分析し赤ちゃんの染色体異常を調べる検査で、スクリーニング検査としては非常に高い精度で結果が出る検査として注目されています。

NIPTは正式名称の英名の頭文字です。

母体血胎児染色体検査(新型出生前診断NIPT)はどんな検査か?

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母体血胎児染色体検査(新型出生前診断NIPT)は、妊婦さんから採取した血液から胎盤の細胞の一部分を分析し赤ちゃんの染色体異常を調べる検査で、ダウン症候群(21トリソミー)、18トリソミー、13トリソミーの3種類の染色体疾患かどうかを検査します。

採取する血液はたったの20mlなので、妊婦さんへの負担が少ないのが特徴で、陰性と出た場合の的中率は99.9%です。

100%ではありませんが、従来の採血による母体血清マーカー検査と比べて精度が高いので非常に注目されている検査です。

ただし、陽性と出た場合的中率は90%弱の的中率となり10%は外れていると言うことになります。

その場合10%程度の擬陽性が含まれていますので、更に詳しく調べるために確定検査である羊水検査で再検査を行います。

つまり、精度が高いと言っても100%ではないので、あくまでも母体血清マーカー検査と同じスクリーニング検査(振り分け検査)だと言うことです。

また、2016年7月現在では新型出生前診断は臨床研究の一環と言うスタイルをとっているので、妊娠を継続した場合には赤ちゃんの様子を報告することを要請されます。

注意点

新出生前診断はNIPTでわかることと分からないこと

新出生前診断を受けても全ての先天異常が分かるというわけではありません。

この検査はダウン症候群(21トリソミー)、18トリソミー、13トリソミー3種類の染色体疾患であるかの可能性を調べる検査です。

ここを勘違いしている方もいると思うのですが、NIPTではこの3種類の染色体疾患の可能性しか分かりません。

また、染色体疾患はダウン症候群(21トリソミー)、18トリソミー、13トリソミーの頻度が高くこの3つで70%を占めているのですが、その他にも性別に関係する染色体異常が13%、その他の染色体異常が17%あります。

海外では13%ある性別に関係する染色体の異常もNIPTの対象になっているのですが、精神発達とか命にかかわる病気にはあまり関係のないものなので、日本では性別に関係する染色体の異常は対象外となっています。

残りの17%は、部分的に多いとか少ないとか、くっついてる場所が違うとかそういう異常があるのですが、これは羊水検査でしか分かりませんので、NIPTでは分かりません。

検査できる施設は限られている

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新出生前診断はNIPTコンソーシアムが実施する「母体血中cell-free DNAを用いた無侵襲的出生前遺伝学的検査の臨床研究」という臨床研究の1つとして行われているため、大学病院など限られた病院でしか実施されていません。

検査としては採血するだけなので本当はどの病院でもできるのですが、しっかりと時間をとって検査に関する説明をしなかったり、十分なカウンセリングをせずに検査を行う医療機関出てきてしまう可能性があります。

その結果、妊婦さんが検査のことをよく調べず理解しないまま検査を受けることになってしまいます。

また、検査内容や結果を正しく伝えられない医療機関や、陽性の場合に行う羊水検査などの確定検査ができない療機関も出てきてしまう可能性を考え、それを避けるために施設が決められています。

そのため非常に予約の取りにくい検査でもあります。

新出生前診断(NIPT)を実施している施設はこちらのぺージで分かります。

 ⇒ NIPTコンソーシアム:臨床研究施設

臨床実験に参加可能な妊婦さんの条件

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この新出生前診断(NIPT)は妊婦ならだれでも臨床研究に参加(検査)できるわけではなく、以下のいずれかにあたり、なおかつ臨床研究に同意しなければなりません。

  • 分娩予定日が35歳以上
  • ダウン症候群、18トリソミー、13トリソミーを有するお子さんを妊娠、または出産した経験がある
  • 赤ちゃんがダウン症候群、18トリソミー、13トリソミーをもつ可能性を指摘されている

お腹の赤ちゃんを超音波検査などで検査した結果、染色体疾患の疑いがある場合はやはり診断しておいたほうが良いということなのだと思いますが、以前に妊娠や出産の経験がある人も検査対象になっています。

年齢に関しては、例えば35歳の女性が出産のときの確率でいくとダウン症1/338、18トリソミーが1/3600、13トリソミーが1/5300です。

この確率を高いと取るのかどうかは人によって受け止め方が色々ありますが、25歳のときと比べて、30歳のときと比べてどうかというと確率は年々高くなっていきます。

35歳を境にこの確率が高くなっているので、35歳からを検査対象としいているとのことです。

検査結果はどのように出るの?

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検査結果は「陰性」「陽性」「判定保留」の3種類で出てきます。

陰性・・・異常なし

陰性と出た場合のダウン症候群の的中率は99.9%です。

ですので、陰性とでたときには99.9%なのでひとまず安心と言うことでいいのですが、対象となる染色体疾患によって若干的中立が変化するのと、0.1%の確率で偽陰性と出ることもあるので陰性が確定したわけではありません。

陽性・・・異常が疑わしい

陽性と出た場合的中率は妊婦さんの年齢や週数によっても若干違いますがダウン症の場合90%弱の的中率です。

残りの10%は外れていると言うことになりますので、陰性とでたときには99.9%なのでひとまず検査は終了と言うことでいいのですが、陽性と出たときには10%程度の擬陽性が含まれていますので、そのあと羊水検査の確定検査に進んでいただくということになります。

しかも、これはダウン症候群の的中率ですので、18トリソミーと13トリソミーだとまた確率が変わってきます。

18トリソミーだともっと低くなって40%、13トリソミーだと10%なってしまいます。

ですので、NIPTはこれぐらい陽性的中率と言うのが低い検査だと認識しておく必要があります。

確定検査ではなくてスクリーング検査だと言うのはこういう理由からです。

判定保留・・・0.9%の割合で出る

0.9%の割合で判定保留と言う結果が出ることもあります。

これは母体血中にある赤ちゃん由来のDNAが少ないことが原因だと考えられています。

赤ちゃん由来のDNAは妊娠経過とともに増加するので、再検査を行うことも可能なようです。

検査前にはこのあたりのことも詳しく確認しておいたほうが言いでしょう。

検査費用と検査を受けることができる時期は?

新型出生前診断NIPTは妊娠10~18週頃に検査を受けることができ、検査費用は20万円前後です。

金額は医療機関によって違いますが、検査前後のカウンセリングが義務付けられているので、カウンセリング代もプラスされます。

参考までに私が受けた東京の大学病院での金額をシェアしておきます

kingaku内訳
初診料 2,000円
再診料 1,000円
カウンセリング30分X2 10,000円
NIPT検査 210,000円
消費税 17,840円
合計  240,840円

初回のカウンセリング後にすぐ検査をしているので、2週間後に結果を聞きに行った日とあわせて合計2日間の金額です。

初回にカウンセリングを受けて、一度持ち帰って検討する場合は3日かかるので、さらにここに再診料とカウンセリング代がかかります。

また、私たちは以前別の大学病院でカウンセリングを受けているので、両日ともに30分のカウンセリングで済んでいますが、このカウンセリング時間が長引くと30分ごとに5,000円ずつ金額が増えていきます。

結果が陽性で羊水検査に進むときの金額は?

仮に結果が陽性だった場合、確定診断である羊水検査にすすみます。

その際に、羊水検査費がさらにかかるのか心配かと思いますが、私たちが受けた大学病院はその場合は無料で羊水検査を受けることができると言っていました。

これは各病院によって違う可能性もありますので、あらかじめ確認しておきましょう。

高齢になるほど染色体異常が起こる確率が高くなる原因と妊婦さんの血液だけで赤ちゃんのDNAが検査できる理由

なぜ年齢が上がると染色体異常の割合が多くなるの?

トリソミーの赤ちゃんが生まれる原因は大きく分けて3つあります。

1つは精子が原因で起こる場合、もう1つは卵子が原因で起こる場合、そして精子も卵子も問題ないのに受精後早い段階で変化が起こってトリソミーになる場合があります。

その中でも卵子が原因で起こる場合が確率としては最も高いと考えられています。

精子はいつも新しく作られているので新しい細胞が受精に使われるのに対し、卵子は自分が生まれる前お母さんの中にいるときにもう作られ終わっているので自分の年齢よりも1年ぐらい古い時期に作られた細胞が元になって妊娠します。

もともと卵子の元になる細胞も、精子の元になる細胞も46本の染色体を持っていて、精子や卵子になる際に半分の23本になります。

そのとき新しい精子は23本ずつ均等に分かれやすいのですが、古くなった卵子の元になる細胞は22と24本など均等に分かれないようなエラーが起こりやすくなっています。

たまたま24本の卵子が23本の精子と受精すると1本多いということになってトリソミーが起こる原因になります。

そういう意味で年齢によってリスクが高くなってくると言うことです。

なぜ妊婦さんの血液を調べると赤ちゃんの染色体異常が分かるの?

赤ちゃんと胎盤は元々1つの受精卵が分裂していくなかで別れます。

もともと1個の細胞からスタートしているので、胎盤の染色体は赤ちゃんの染色体と同じはずと言うことを前提に考えると、妊娠中の母親の血液中にはわずかながら赤ちゃんのDNAが存在することになります。

それをサンプルにして赤ちゃんの染色体を見ます。

小さなDNAの断片をさらに細かくみてみると、塩基配列と言うアルファベットの並びでできていて、これが番号のそれぞれによって決まっています。

機械がこれを読むと染色体の何番の染色体の断片なのかと言うことを知ることができるので、そのDNAの断片の量的な割合をみて変化を検出します。

断片の量の構成割合というのは健康な方であれは常に一定なので、妊婦さんの血液を調べることで正常と比べてどうなのか、もし標準とずれるところがあれば、それは胎盤の染色体の本数が違うということが分かるわけです。

まとめ

血液を20ml採取するだけで検査可能なので母体への負担が低い

金額は保険がきかないので20万円前後と高額

妊娠10~18週頃に検査可能なので早い時期から検査できる

陰性の場合の的中率はダウン症で99.9%と従来の母体血清マーカー検査より高い

スクリーニング検査なので陽性の場合羊水検査などの確定診断が必要

検査できる施設は少ないので予約は取りにくい

検査できる施設はNIPTコンソーシアムで分かる

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